12月いっかくじゅう座流星群 2022/12/14
§.はじめに
22年12月14日の20h30m46s に富士市で撮られた停止火球がネットで話題になっていました。その後、平塚、横浜、千葉などからの報告もあり、この流星(火球)は 12月いっかくじゅう座流星群に属する火球だと断定されました。その時刻、私も幸運にもふたご座流星群を撮影していて、この火球も撮影できていました。
22年12月14日の20h30m46s に富士市で撮られた停止火球がネットで話題になっていました。その後、平塚、横浜、千葉などからの報告もあり、この流星(火球)は 12月いっかくじゅう座流星群に属する火球だと断定されました。その時刻、私も幸運にもふたご座流星群を撮影していて、この火球も撮影できていました。
§.12月いっかくじゅう座流星群(略号MON)って?
今までに聞いたことも無ければ気にしたことも無い小流星群です。極大日と出現数は以下です。 天文年鑑・・・・ 12/9・・・HR1 国立天文台・・・ 12/9・・・ n.a 国際流星機構・・12/10・・・ n.a その他A・・・・ 12/11・・・HR2~3 その他B・・・・ 12/13・・・ n.a 輻射点は右図を参照してください。極大日は9日から13日までばらつきがありますが、いずれにせよ12月14日は極大日は過ぎているようなので、出現数は1時間に1個以下でしょう。但し明るい流星が多いようで私がネットで調べた限りでは 14/15の夜には 4個のMON群の火球報告が見つかりました。その中のひとつが題記の火球です。 |
§.撮影時の顛末
実は私はこの火球を直接は見ていません。20時ごろ自宅から200メートルほど離れている東が開けた路上にまで出かけてカメラの設定をしました。20h17mから撮影を始めましたが、10分後、大きなミスで頭上を電線が横切っていることに気が付きました。このまま撮影を続けるか、それとも場所を移動するか躊躇しました。終了予定の23時ごろにはどれぐらい邪魔になっているのかをイメージしながら、思い切って移動することにしました。そんなことでウロウロしている時に この火球は流れました。だから肉眼では見ていないのです。火球が流れた約1分後に三脚を 10メートルほど移動しポタ赤の極軸を合わせて 6分後に撮影を再開しました。もちろん火球が出現したことも、その永続痕が その後 20分以上も見えていたことも知りませんでした。 |
§.永続痕の変化
右の一連の写真は痕の変化を示したものです。 流星が消えた直後は、痕は白い色をしていますが、 徐々に赤くなっていきました。 2012年5月にH-2Aロケット21号機が打ち上げ られた時に空が赤く発光する現象が見られ、JAXA が 「ロケットの通過で生じた大気の擾乱が原因で 電離層の酸素原子が発光したものと思われる」と 発言しているので、この赤い痕も電離した酸素 原子が光っているのかも知れませんね。 1分03秒後の画像の後は 5分55秒後まで 飛んでいますが、これが前述した痛恨のミスで 痕が写っているとは知らずに撮影を止めて 場所を 移動したためです。 5分55秒後には痕は随分と拡散して淡くなって いますが、まだ識別できます。私の 13分後のコマ でも辛うじて確認できますが、ノイズとの区別が 怪しいです。 §.まとめ 偶然に写った火球から、今まで知らなかった 12月いっかくじゅう座流星群の存在を知りました。 とても小さな流星群ですが、ふたご座流星群の 数日前に極大日を迎え、また輻射点も G群に 近いので、過去のG群の撮影データの中で散在 流星として処理されている流星の中に この群の 流星が紛れ込んでいるかも知れませんね。 |