ひとみ (ASTRO-H) 2016-012A
§.はじめに
ASTRO-H の打上げは当初は2月12日の予定でしたが種子島が悪天候のために17日に延期されていました。秦野も雨が降りそうな曇天だったので、延期は大歓迎でした。そしていよいよ打上げ当日(17日)になりましたが、午前中は快晴ながら午後から曇って来ました。夕方の天気予報は曇り(泣)。 打上げの 1時間前に撮影予定地の「菜の花台」に到着しましたが、北天から天頂までは晴れているものの肝心の南西~南~南東方向には 分厚い雨雲があり、特に南西方向の遠方では雨または雪が降っている様子でした。雲の動きは鈍く 撮影は半ば諦めざるを得ないような雰囲気でしたが、打上げ30分前には南西方向の雲が少し南へ移り希望が出てきました。そして5分前には南東方向は絶望ながら、南西~南の雲は低くなり高度 15~20°以上は晴上がりました。
§.予想外の姿でロケット登場
打上げが迫って来たので正確な打上げ時刻を把握するためにスマホで打上げ中継を見ようとしました。しかし妻から借りて来たスマホなのでPWが分からず、結局 生中継が見られません。仕方なく、NHK がニュース速報を流すかも知れないので、カーナビで NHK をつけたらちょうど放送が始まっていて、予定通りに打上げられたことが分かりました。私はまだ星が見えないのでポーラーメーターを使って第1段ロケットの燃焼停止位置(A=195゜, H=22゜)に 2台のカメラ(24mm&100mm)を向けていましたが、雲が架かる可能性があるのでもう少しだけ 5゜ほど右へ振りました。17時48分、…49分、…50分、そろそろ雲から出て見え始めるはずです。私はロケットは光点として見えると思っていましたが、もやっとした飛行機のようなものが(肉眼で)見え始めました。『えっ!この大事なタイミングで飛行機が横切るのか!』 と思いましたが、飛行機ではなさそうです。V字形をした白いもやっとしたものが グングンと高度を上げて来ます。 『これだ!!』 カメラは連写モードで自動的にカシャカシャと働いているので、初めて見るロケットを肉眼で眺めて脳裏に刻みました。第1段燃焼停止時刻(17h51m38s)を過ぎて 100mmの方の写野から外れそうなので写野を左へ振りましたがカメラのファインダーで十分に見えていて楽に位置決め出来ました。その後ロケットは暗くなって来て、残念ながら雲の中へ突入して行きました。
§.燃焼中の第1段ロケット
ASTRO-H の打上げは当初は2月12日の予定でしたが種子島が悪天候のために17日に延期されていました。秦野も雨が降りそうな曇天だったので、延期は大歓迎でした。そしていよいよ打上げ当日(17日)になりましたが、午前中は快晴ながら午後から曇って来ました。夕方の天気予報は曇り(泣)。 打上げの 1時間前に撮影予定地の「菜の花台」に到着しましたが、北天から天頂までは晴れているものの肝心の南西~南~南東方向には 分厚い雨雲があり、特に南西方向の遠方では雨または雪が降っている様子でした。雲の動きは鈍く 撮影は半ば諦めざるを得ないような雰囲気でしたが、打上げ30分前には南西方向の雲が少し南へ移り希望が出てきました。そして5分前には南東方向は絶望ながら、南西~南の雲は低くなり高度 15~20°以上は晴上がりました。
§.予想外の姿でロケット登場
打上げが迫って来たので正確な打上げ時刻を把握するためにスマホで打上げ中継を見ようとしました。しかし妻から借りて来たスマホなのでPWが分からず、結局 生中継が見られません。仕方なく、NHK がニュース速報を流すかも知れないので、カーナビで NHK をつけたらちょうど放送が始まっていて、予定通りに打上げられたことが分かりました。私はまだ星が見えないのでポーラーメーターを使って第1段ロケットの燃焼停止位置(A=195゜, H=22゜)に 2台のカメラ(24mm&100mm)を向けていましたが、雲が架かる可能性があるのでもう少しだけ 5゜ほど右へ振りました。17時48分、…49分、…50分、そろそろ雲から出て見え始めるはずです。私はロケットは光点として見えると思っていましたが、もやっとした飛行機のようなものが(肉眼で)見え始めました。『えっ!この大事なタイミングで飛行機が横切るのか!』 と思いましたが、飛行機ではなさそうです。V字形をした白いもやっとしたものが グングンと高度を上げて来ます。 『これだ!!』 カメラは連写モードで自動的にカシャカシャと働いているので、初めて見るロケットを肉眼で眺めて脳裏に刻みました。第1段燃焼停止時刻(17h51m38s)を過ぎて 100mmの方の写野から外れそうなので写野を左へ振りましたがカメラのファインダーで十分に見えていて楽に位置決め出来ました。その後ロケットは暗くなって来て、残念ながら雲の中へ突入して行きました。
§.燃焼中の第1段ロケット
§.第1段ロケットの分離/落下
第2段ロケットが予想以上に暗く非常に見分け難かったので元画像を拡大・強調しました。左の画像は時系列的に並べたもので、右の画像は第2段ロケットを固定して加算合成したものです。いずれも元画像は同じものです。
第1段目は分離されたら直ぐに スーッ と落下していくようなイメージが強いのですが分離から 30秒経過しても(じわじわと引き離されつつも)悠々と 2段目を追いかけています。
第2段ロケットが予想以上に暗く非常に見分け難かったので元画像を拡大・強調しました。左の画像は時系列的に並べたもので、右の画像は第2段ロケットを固定して加算合成したものです。いずれも元画像は同じものです。
第1段目は分離されたら直ぐに スーッ と落下していくようなイメージが強いのですが分離から 30秒経過しても(じわじわと引き離されつつも)悠々と 2段目を追いかけています。
§.一周後の姿
地球一周後の位置は TLE を自作して予報を出してあったので普段に人工衛星を撮るのと同じ手慣れたルーチンで撮影出来るはずでした。出現は富士山山頂から現れる予報だったので『富士山から昇る ASTRO-H 』 というタイトルの画像を 200mm望遠レンズで撮るつもりでした。しかし出現時刻の 10分前になっても残念ながら西方向には雲があり富士山は見えません。急遽地球の影に入って行くシーンを撮ることに変更して f=100mmに修正してカメラの方向を変えましたが これが失敗の元で時間を気にして慌てていたのか、少しカメラの写野中心がずれていて、結局衛星は写野の端っこで影に入ってしまいました。(トホホ…)
出現時刻も過ぎたころ、雲から何だかモヤっとしたものが現れました。一周後には完全に衛星になっているので ASTRO-H & R/B は 1~3等星の光点として見えると思い込んでいたので、この光芒は飛行機だと決めつけました。飛行機の燈火が雲に映っているのだろうと思いましたが飛行コースは予報通りであり光芒はだんだん暗くなって行きます。とにかく写しておこうと思い、撮影予定のなかった2台目のカメラ(24mm広角)をその方向にセットして撮影しました。すると消えかかっていた光芒のすぐ傍でイリジウム衛星のようなフレアが起こりました。木星並みの明るさで驚いていると、これが徐々に拡散してぼやけてきました。『?? 何なんだ、これ!』 人工衛星の分離に失敗してその破片が戻って来て爆発したのか? ……… 結局この光芒の正体は不明のまま撮影を終えて撤収しました。帰宅してから 写っている位置や移動方向などを調べて間違いないことを確認しました。とにかくも、噴煙を吐きながら飛行して行くロケットや姿勢制御のためにジェット噴射をする H-2A 第2段目を撮影するなど、初めての体験に興奮した夜でした。晴れて本当に良かった! (2016.02.24 記入)
地球一周後の位置は TLE を自作して予報を出してあったので普段に人工衛星を撮るのと同じ手慣れたルーチンで撮影出来るはずでした。出現は富士山山頂から現れる予報だったので『富士山から昇る ASTRO-H 』 というタイトルの画像を 200mm望遠レンズで撮るつもりでした。しかし出現時刻の 10分前になっても残念ながら西方向には雲があり富士山は見えません。急遽地球の影に入って行くシーンを撮ることに変更して f=100mmに修正してカメラの方向を変えましたが これが失敗の元で時間を気にして慌てていたのか、少しカメラの写野中心がずれていて、結局衛星は写野の端っこで影に入ってしまいました。(トホホ…)
出現時刻も過ぎたころ、雲から何だかモヤっとしたものが現れました。一周後には完全に衛星になっているので ASTRO-H & R/B は 1~3等星の光点として見えると思い込んでいたので、この光芒は飛行機だと決めつけました。飛行機の燈火が雲に映っているのだろうと思いましたが飛行コースは予報通りであり光芒はだんだん暗くなって行きます。とにかく写しておこうと思い、撮影予定のなかった2台目のカメラ(24mm広角)をその方向にセットして撮影しました。すると消えかかっていた光芒のすぐ傍でイリジウム衛星のようなフレアが起こりました。木星並みの明るさで驚いていると、これが徐々に拡散してぼやけてきました。『?? 何なんだ、これ!』 人工衛星の分離に失敗してその破片が戻って来て爆発したのか? ……… 結局この光芒の正体は不明のまま撮影を終えて撤収しました。帰宅してから 写っている位置や移動方向などを調べて間違いないことを確認しました。とにかくも、噴煙を吐きながら飛行して行くロケットや姿勢制御のためにジェット噴射をする H-2A 第2段目を撮影するなど、初めての体験に興奮した夜でした。晴れて本当に良かった! (2016.02.24 記入)
打ち上げ翌日 (2月18日)
翌日の19h25m~37m に、まだ一団となって固まって飛んでいる 「ひとみ」様 御一行を撮影しました。この時の撮影は地上高が17º ぐらいしかなく、条件は良くなかったのですが、打上げから16周目のパスで 5個の衛星を全部撮影するつもりでした。撮影結果は下の写真①~③のように3個の衛星が写りました。なぜ あとの2個は写らなかったのか(?)という疑問は残りますが、とりあえず 3個の衛星の同定作業をしました。
2016.03.18
2016.03.30
2016.04.30
「ひとみ」 のその後の状態が気になっていたのですが、やっと朝方のパスが見えるタイミングになって来ました。”CalSky” によると Deb-Q がDeb-L と同じぐらいの明るさらしいので確実に写るはずです。撮影の結果は、狙った7個の内、 Deb-P , Deb-Q , 金シャチ3号の3個は写りませんでした。 (※)後日、”CalSky” の Deb-Q の光度データは Max12.0等に改訂された。
2016.05.05
伊豆・天城高原に遠征して 「ひとみ」 ファミリーを撮りました。「ひとみ」本体の通過時には既に空が明るすぎるので、本体は諦めて、それ以外の10個を狙いました。6個(-12B , -12D , -12E , -12J , -12K , -12L)が写りましたが、金シャチ3号、Deb-N、-Q、-R の4個は無理でした。
金シャチ2号(2016-12B)は初撮りでしたが、ピント合わせ用のバーティノフマスクを装着したまま撮影してしまったので星の形が変です。(本来なら没ですが、初撮りなので・・・)
金シャチ2号(2016-12B)は初撮りでしたが、ピント合わせ用のバーティノフマスクを装着したまま撮影してしまったので星の形が変です。(本来なら没ですが、初撮りなので・・・)
2016.07.06
2017.01.23
2017.04.19
2017.04.28
山梨の忍野村へ遠征して 『ひとみファミリー』を撮影しました。肝心の「ひとみ本体」は導入に戸惑っている間に
シャッタータイミングを逸してしまい撮影に失敗しました。Deb-H , Deb-N , Deb-P , Deb-R も撮りましたが、予想
通り全く写りませんでした。今回「金シャチ2号」と「 Deb-J」が非常に明るく写ったことは驚きでした。
シャッタータイミングを逸してしまい撮影に失敗しました。Deb-H , Deb-N , Deb-P , Deb-R も撮りましたが、予想
通り全く写りませんでした。今回「金シャチ2号」と「 Deb-J」が非常に明るく写ったことは驚きでした。
2017.06.15
雲が多い中、「ひとみ本体」の通過を撮影しました。ひとみはチカチカと激しく変光しながら木星とスピカの間を通過しましたが、スピカより明るく、マイナス1等星ほどと思いました。画像は雲を消しながら比較明合成をしてあります。