金星の準衛星 (2002VE68)
§.はじめに
2018年11月7日に 「金星の準衛星」 が地球に 570万km まで近づき 15.1等星で見えました。その前後の 11/01~11/12 は 15等台の明るさなので、この期間中には少なくとも1回は撮影チャンスがあるだろうと高をくくっていました。しかし SCW天気予報の長期予報では 10日までは天気が悪い可能性が高く、不安にかられて、3日に少し晴れ間がありそうだったので撮影を敢行しました。
2018年11月7日に 「金星の準衛星」 が地球に 570万km まで近づき 15.1等星で見えました。その前後の 11/01~11/12 は 15等台の明るさなので、この期間中には少なくとも1回は撮影チャンスがあるだろうと高をくくっていました。しかし SCW天気予報の長期予報では 10日までは天気が悪い可能性が高く、不安にかられて、3日に少し晴れ間がありそうだったので撮影を敢行しました。
§.撮影結果
11月3日のSCW天気予報は 21~22時ごろには雲量 3/10~4/10 となっていたので、ダメ元で自宅前に望遠鏡をセットしました。雲の流れが激しいものの雲間には星が輝いていました。北極星が雲で見えず、雲の通過を待って極軸を合わせるのに 30分近く掛かりました。急いで 2002VE68 を導入して構図・露出時間・ISO感度を決めました。『10秒露出→5秒休み』 のパターンで撮影を開始しましたが、5分ぐらい経過したころに大きな雲が通過して、撮影は止むなく中断となりました。西空には分厚い雲がべったりと広がり、どんどんと迫って来ます。このあとの天気の回復は望め
そうもなく 『5分撮影出来たから良しとするか・・・』 と思い、撤収しました。
撮影した画像をPCに取り込んで確認すると、2002VE68 は非常に淡いものの確かに写っていました。撮影中に薄い雲が通過した画像を除いて連続している部分を探すと、20h55m30s ~20h59m10s の間の 15コマが使えそうです。早速、二通りの画像処理をしてみました。まずは恒星基準で比較明合成をしました。淡いけど 2002VE68 は左上から右下に向かって線を引いて写っていました。もう一つ小惑星を基準にしたメトカーフ加算合成も実施しました。 これにははっきりとした点状の 2002VE68 が写っています。
11月3日のSCW天気予報は 21~22時ごろには雲量 3/10~4/10 となっていたので、ダメ元で自宅前に望遠鏡をセットしました。雲の流れが激しいものの雲間には星が輝いていました。北極星が雲で見えず、雲の通過を待って極軸を合わせるのに 30分近く掛かりました。急いで 2002VE68 を導入して構図・露出時間・ISO感度を決めました。『10秒露出→5秒休み』 のパターンで撮影を開始しましたが、5分ぐらい経過したころに大きな雲が通過して、撮影は止むなく中断となりました。西空には分厚い雲がべったりと広がり、どんどんと迫って来ます。このあとの天気の回復は望め
そうもなく 『5分撮影出来たから良しとするか・・・』 と思い、撤収しました。
撮影した画像をPCに取り込んで確認すると、2002VE68 は非常に淡いものの確かに写っていました。撮影中に薄い雲が通過した画像を除いて連続している部分を探すと、20h55m30s ~20h59m10s の間の 15コマが使えそうです。早速、二通りの画像処理をしてみました。まずは恒星基準で比較明合成をしました。淡いけど 2002VE68 は左上から右下に向かって線を引いて写っていました。もう一つ小惑星を基準にしたメトカーフ加算合成も実施しました。 これにははっきりとした点状の 2002VE68 が写っています。
【撮影データ】
2018年11月3日 20h55m30s~59m10s JST (10s×15コマ合成) SE250N直焦(コマコレ) LPS-P2 EOS-6D ISO6400 トリミング
2018年11月3日 20h55m30s~59m10s JST (10s×15コマ合成) SE250N直焦(コマコレ) LPS-P2 EOS-6D ISO6400 トリミング
§.まとめ
現在確認されている金星の準衛星は 2002VE68 のみです。あと2個ほど、不確実な候補があります。準衛星といっても たかが小惑星です。でも数十万個も発見されている小惑星の中で金星の準衛星と呼べるのは唯一 2002VE68 だけです。そんな希少な小惑星を撮影できて良かったです。 蛇足ながら、地球にも不確実なものを含めて15個ほどの準衛星があります。これらも撮影したいのですが、非常に暗くって無理そうです。 (2018.11.06 記)