オリオン座流星群 2023/10/22
§.はじめに
昨年(2022年)はこのオリオン群を自宅から静止画で撮影して、約2時間分の露出で16個の群流星をゲットしました。その時に得た画像は天文ガイド2023年2月号に入選しました。PRはさておき、このオリオン群は緑色のきれいな流星が多いような印象が強いのですが、今年も綺麗な流星をゲットしたく久しぶりに山梨県忍野村まで遠征しました。最低でもオリオン群30個をゲットすること、あわよくば 50個を撮影することを目標としました。さて結果はどうなったことでしょうか?
昨年(2022年)はこのオリオン群を自宅から静止画で撮影して、約2時間分の露出で16個の群流星をゲットしました。その時に得た画像は天文ガイド2023年2月号に入選しました。PRはさておき、このオリオン群は緑色のきれいな流星が多いような印象が強いのですが、今年も綺麗な流星をゲットしたく久しぶりに山梨県忍野村まで遠征しました。最低でもオリオン群30個をゲットすること、あわよくば 50個を撮影することを目標としました。さて結果はどうなったことでしょうか?
§.撮影準備
久し振りの遠征なので入念に準備しました。防寒の為のカイロも去年の残りではなく新しく購入して、ポタ赤の電池も結露防止ヒーターも充電して、予備メモリーも忘れずに持って、23時に自宅を出発しました。途中コンビニで夜食用に おにぎりとサンドイッチを買い込み、現地に着いたのは 00時30分でした。更に防寒着を着込み防寒ブーツを履いて、車載の温度計を見ると2℃でした。カイロを取り出そうとバッグを漁っても見当たりません。あれ?あれほど念入りに準備したのに積み込み忘れ?
カイロを諦めて、撮影準備をしました。準備中にも1個、明るいオリオン群が流れました。久しぶりの忍野村の空は少し光害が進み明るくなったような気もしますが、冬の天の川も微かではあるが認められ、大漁の予感がしました。
ポタ赤 CD-1 の極軸を合わせて、予定した構図にカメラを向けて、準備も整い 00時55分から動画撮影を開始しました。カメラは α7SⅢ、レンズは SIGMA 20mm、F1.8、SS=1/60s、ISO32万、59.94fps の設定でスタート!
久し振りの遠征なので入念に準備しました。防寒の為のカイロも去年の残りではなく新しく購入して、ポタ赤の電池も結露防止ヒーターも充電して、予備メモリーも忘れずに持って、23時に自宅を出発しました。途中コンビニで夜食用に おにぎりとサンドイッチを買い込み、現地に着いたのは 00時30分でした。更に防寒着を着込み防寒ブーツを履いて、車載の温度計を見ると2℃でした。カイロを取り出そうとバッグを漁っても見当たりません。あれ?あれほど念入りに準備したのに積み込み忘れ?
カイロを諦めて、撮影準備をしました。準備中にも1個、明るいオリオン群が流れました。久しぶりの忍野村の空は少し光害が進み明るくなったような気もしますが、冬の天の川も微かではあるが認められ、大漁の予感がしました。
ポタ赤 CD-1 の極軸を合わせて、予定した構図にカメラを向けて、準備も整い 00時55分から動画撮影を開始しました。カメラは α7SⅢ、レンズは SIGMA 20mm、F1.8、SS=1/60s、ISO32万、59.94fps の設定でスタート!
§.撮影情景
撮影中は特にすることも無いので、暫く写野を眺めていましたが、時々散在流星が流れるもののオリオン群は見られません。何となく不漁を想像し嫌な気持ちになり、またカイロを忘れて来たので寒さが厳しく、車の中に退避しました。愛車サクラ(=EV)は出発する時には充電100%だったが、ここに到着時には48%に減っていました。帰り道を考えると余計な電気は使いたくないので、ヒーターを我慢して夜食を食べながら時間を潰しました。朝方に空が白んで来た時には車のルーフもウィンドウもガリガリに凍り付いていて温度計は 0℃でした。一晩中快晴に恵まれレンズヒータやポタ赤の電池切れもなく、約4時間(230分)の撮影が出来ました。
(余談ですが、自宅に帰り着いた時のサクラの電気残存量は 15%でした。)
撮影中は特にすることも無いので、暫く写野を眺めていましたが、時々散在流星が流れるもののオリオン群は見られません。何となく不漁を想像し嫌な気持ちになり、またカイロを忘れて来たので寒さが厳しく、車の中に退避しました。愛車サクラ(=EV)は出発する時には充電100%だったが、ここに到着時には48%に減っていました。帰り道を考えると余計な電気は使いたくないので、ヒーターを我慢して夜食を食べながら時間を潰しました。朝方に空が白んで来た時には車のルーフもウィンドウもガリガリに凍り付いていて温度計は 0℃でした。一晩中快晴に恵まれレンズヒータやポタ赤の電池切れもなく、約4時間(230分)の撮影が出来ました。
(余談ですが、自宅に帰り着いた時のサクラの電気残存量は 15%でした。)
§.データチェック
撮影した動画を再生しながら写っている流星を見つけるのですが、いつものように左半分と右半分に分けてチェックしました。2日掛けて左半分をチェックし、残りの右半分には更に2日を費やしましたが、78個のオリオン群流星と98個の散在流星を見つけました。
撮影した動画を再生しながら写っている流星を見つけるのですが、いつものように左半分と右半分に分けてチェックしました。2日掛けて左半分をチェックし、残りの右半分には更に2日を費やしましたが、78個のオリオン群流星と98個の散在流星を見つけました。
§.おうし座南流星群(STA群) と 北流星群(NTA群)
なお、98個の散在流星の中には おうし座の方から流れてくるスピードの遅い流星が散見されました。これはもしかしたら「おうし座南流星群」と「おうし座北流星群」ではないのかと思い、10月22日の両群の輻射点の位置を調べてステラナビゲータ11の心射図法で作成した星図にプロットしてみました。 右図はおうし座南流星群の例ですが、プロットされた8個の散在流星はゆっくりと流れる特徴もあり、おうし座南流星群と判断しても良さそうです。後にもう1個、追加で見つけています。 同様にして4個の北群も見つけました。 (北群の星図は省略、画像は下) ↓ ↓ ↓ |
この群の特徴として暗い流星が多いらしいのですが、チェックしている時にも暗い流星が多かったので見つけるのに苦労しました。動画撮影の合間にソフトフィルターを付けて静止画を撮り、それを背景にして78個のオリオン群流星を比較明合成したのが下の画像です。今年の7月に初めての動画撮影でみずがめ座δ南流星群を撮った時に『動画撮影の流星は色彩が単純だ』と感じたのですが、今回は少し工夫(?)をしたので、次の章で説明します。この画像の流星はその工夫により少しはカラフルになっていると思います。
§.流星の色
右の画像はオリオン群流星の中で最も明るかった流星の発光から痕が消えるまでの様子を0.033秒毎に並べたものです。(発光から痕が消えるまで 約1.5秒) これらを比較明合成すると以下①のようであり、 そして、加算合成すると以下②のようになります。
つまり、白っぽい流星本体が緑色の痕よりも明るいために、比較明合成をすると流星本体のみが残って緑色は消えてしまいます。正確には本体の点々の間にわずかに緑が残っていますが全く目立ちません。そして加算合成の場合は、全部で45コマあるので流星本体の点像は 合成すると 1/45 の明るさになり、痕は少なくとも20コマ以上あるので 20/45 以上の明るさで本体よりも明るくなって目立ちます。逆に本体が消えてしまうことになります。
動画撮影ではなく静止画撮影の場合は、上記の加算合成に近いと思いますが、静止画は連続的に 1.5秒分の光を加算合成するのに対して、動画は飛び飛びに、このケースでは45コマ分を加算合成するので、同じ加算合成でも違いが感じられます。また動画と静止画では ISO感度が大きく違うので、その影響もあろうかと思いますが 勉強不足で分かりません。 そこで、①と② の画像をPhotoshopで色々と試行合成してみましたが、①に②をカラー合成した以下の ③ が良さそうに思われました。 カラー合成のロジックは ①の輝度と ②の色相&彩度を採用する合成方法ですが、本体の赤っぽい部分は消えたけど見た目に綺麗に見えるので OK としました。
こんなカラー合成なんて邪道ではないかとも思いましたが、それなら比較明合成も加算合成も邪道ということになりませんか? もう少し手間を掛ければ、以下の ④ のように赤っぽい部分も表現できますが、そこまでは必要ないかも知れません。逆に、このような明るい流星は数が少ないのだから手間を掛けても良いかも・・・ |