H-2A-32号機 の 夜光雲 2017.01.25
§.H-2A 32号機への準備
今回の32号機の打上げ時刻は 16h44m なので日没の23分前です。以前にロケット撮影に成功した 「ひとみ」 は日没17分後だったので時間的には良く似ています。そこで今回はロケットの撮影と夜光雲の撮影の両方を狙うことにしました。(二兎を追う者は一兎をも得ず、かな?)
いつものようにロケットの打上げシーケンスから飛行経路を計算しようと思いましたが、今回のペイロード(きらめき2号)は防衛省御用達の軍事通信衛星なので打上げ時刻以外は シーケンスも予定軌道も非公開です。仕方がないが、静止軌道に乗る予定であることは分かっているので、以前に静止衛星を打上げた 25号機、29号機、31号機のシーケンスと同じであると仮定して飛行経路を求めました。
今回の32号機の打上げ時刻は 16h44m なので日没の23分前です。以前にロケット撮影に成功した 「ひとみ」 は日没17分後だったので時間的には良く似ています。そこで今回はロケットの撮影と夜光雲の撮影の両方を狙うことにしました。(二兎を追う者は一兎をも得ず、かな?)
いつものようにロケットの打上げシーケンスから飛行経路を計算しようと思いましたが、今回のペイロード(きらめき2号)は防衛省御用達の軍事通信衛星なので打上げ時刻以外は シーケンスも予定軌道も非公開です。仕方がないが、静止軌道に乗る予定であることは分かっているので、以前に静止衛星を打上げた 25号機、29号機、31号機のシーケンスと同じであると仮定して飛行経路を求めました。
若干の違いはあるものの 100mm~200mmのレンズで狙うには十分です。更に欲張って、打上げてから一周後に戻って来た時の位置も計算しました。 例えば25号機の打上げ直後のTLE を今回の条件に合うように改造して計算したのが図中の 「25号機をベースにした推定」 です。
あわよくば、さそり座で一周後のきらめき2号と最終段ロケットが並んで飛行している姿が撮れるかも知れません。
あわよくば、さそり座で一周後のきらめき2号と最終段ロケットが並んで飛行している姿が撮れるかも知れません。
夜光雲の予想も検討しました。下図は以前にエクセルでプログラミングしたものですが、灰色太線は高度85kmでの地球影の断面の各時刻に於ける位置です。ちょうど市民薄明が終わって空が暗くなってくる 17h40m にはオリオン、ふたご、はと座などは影の中ですが、カペラ、おうし座の方向の高度85km付近には未だ太陽光が届いています。この地球影は急速に昇って来て、10分後の17h50mには天頂を超えて金星の方向も影の中に入ります。
ロケットが85kmの高度を通過した時に その付近に夜光雲が発生すると仮定すると、図中の赤丸の位置で 16h45m ごろに夜光雲が発生して、その後徐々に薄緑色のように拡散/拡大して行くものと思われます。但し 16h45m 時点では空が明るいので夜光雲は見えません。そして 17h40mごろになると空が暗くなるので相対的に夜光雲の方が明るくなって見えて来るのだと思います。発生してから約1時間で どこまで拡散しているのか分かりませんが、18h10mごろには影の中に入ってしまいそうです。なお星は 18h00m の位置で表示してあります。
ロケットが85kmの高度を通過した時に その付近に夜光雲が発生すると仮定すると、図中の赤丸の位置で 16h45m ごろに夜光雲が発生して、その後徐々に薄緑色のように拡散/拡大して行くものと思われます。但し 16h45m 時点では空が明るいので夜光雲は見えません。そして 17h40mごろになると空が暗くなるので相対的に夜光雲の方が明るくなって見えて来るのだと思います。発生してから約1時間で どこまで拡散しているのか分かりませんが、18h10mごろには影の中に入ってしまいそうです。なお星は 18h00m の位置で表示してあります。
§.H-2A-32号機、打上げ時の様子
まずは打上げ時ですが、高度5度以下にポツポツと雲があるものの5度以上は快晴です。太陽がもうすぐ山に沈みそうですがまだまだ眩しく輝いていて結構邪魔です。空は少し暗くなって来たように感じますが、この明るさでは見えないかも知れないという不安が脳裏を過ぎります。カメラは方位190°高度15°に向けて固定してあり、写野を通過するのを待ち伏せる作戦です。打上げから 4分経過した16h48mから連写を開始しました。肉眼では全く何も見えません。やはり駄目か、と思いながら連写を止めました。帰宅後、精査しましたが、結局はロケットは写っていませんでした。
§.夜光雲が見えた!
日が落ちると急速に寒くなってきて、更にやや強めの風が体感温度を下げます。17h30mに市民薄明が終わり、いい感じで暗くなって来ました。南西の低空には夕焼けが残っていて赤い空を背景にして黒い小さな雲が移動して行きます。そこに淡く白い雲が見えてきました。今までに夜光雲を見た経験がないので、これか(?)と半信半疑でシャッターを切ったのが 17h33m59s でした。その夜光雲らしきものは益々明るくなって来て明瞭に見えるようになり、夜光雲で間違いないと確信してシャッターを切り続けました。夜光雲は大きく二重の螺旋状に見えました。上の方は薄青~白色に輝いていて 中段部分は鮮やかなオレンジ色で、まるで
まずは打上げ時ですが、高度5度以下にポツポツと雲があるものの5度以上は快晴です。太陽がもうすぐ山に沈みそうですがまだまだ眩しく輝いていて結構邪魔です。空は少し暗くなって来たように感じますが、この明るさでは見えないかも知れないという不安が脳裏を過ぎります。カメラは方位190°高度15°に向けて固定してあり、写野を通過するのを待ち伏せる作戦です。打上げから 4分経過した16h48mから連写を開始しました。肉眼では全く何も見えません。やはり駄目か、と思いながら連写を止めました。帰宅後、精査しましたが、結局はロケットは写っていませんでした。
§.夜光雲が見えた!
日が落ちると急速に寒くなってきて、更にやや強めの風が体感温度を下げます。17h30mに市民薄明が終わり、いい感じで暗くなって来ました。南西の低空には夕焼けが残っていて赤い空を背景にして黒い小さな雲が移動して行きます。そこに淡く白い雲が見えてきました。今までに夜光雲を見た経験がないので、これか(?)と半信半疑でシャッターを切ったのが 17h33m59s でした。その夜光雲らしきものは益々明るくなって来て明瞭に見えるようになり、夜光雲で間違いないと確信してシャッターを切り続けました。夜光雲は大きく二重の螺旋状に見えました。上の方は薄青~白色に輝いていて 中段部分は鮮やかなオレンジ色で、まるで