木星探査機 JUNO 2013.10.10
§.木星探査機 『JUNO』 の軌道
ジュノーは 2011年8月6日 01h25m に打ち上げられ、近日点=約 1au、遠日点=約2.2au、周期=約2年 という太陽を巡る楕円軌道に投入されました。図-1は地球軌道面を北(上)側から見た図で、緑色でJUNOの軌道の約半分が描かれています。図-2は少し斜め上から見た図で木星に到達するまでのジュノーの全行程が描かれています。打ち上げから約1年を費やしてジュノーは図-2の 『DSMs』 地点に到達して、2012年 8月30日と 9月4日に 2回の軌道修正を行いました。この結果、更に13ヶ月後にジュノーは地球に接近する軌道に乗りました。そうして、いよいよ 2013年10月10日に地球スイングバイを実施することになります。
ジュノーは 2011年8月6日 01h25m に打ち上げられ、近日点=約 1au、遠日点=約2.2au、周期=約2年 という太陽を巡る楕円軌道に投入されました。図-1は地球軌道面を北(上)側から見た図で、緑色でJUNOの軌道の約半分が描かれています。図-2は少し斜め上から見た図で木星に到達するまでのジュノーの全行程が描かれています。打ち上げから約1年を費やしてジュノーは図-2の 『DSMs』 地点に到達して、2012年 8月30日と 9月4日に 2回の軌道修正を行いました。この結果、更に13ヶ月後にジュノーは地球に接近する軌道に乗りました。そうして、いよいよ 2013年10月10日に地球スイングバイを実施することになります。
§. 『JUNO』 ・地球スイングバイ
今年(2013年)10月10日にスイングバイが実施されるので、まず小惑星センターのHPで位置予報を計算してみました。計算するまでは 「どうせ明るい日中に通過して行くのだろう」 とか 「夜に通過してもジュノー自体が暗くって見えないのでは」 とか悲観的に考えていました。ところが得られた予報は以下のように 天文薄明中で空が若干明るいものの、ジュノーは8等級台で見えることが分かりました。8等級台なら 25cm主鏡の直焦点で撮影可能な明るさです。
今年(2013年)10月10日にスイングバイが実施されるので、まず小惑星センターのHPで位置予報を計算してみました。計算するまでは 「どうせ明るい日中に通過して行くのだろう」 とか 「夜に通過してもジュノー自体が暗くって見えないのでは」 とか悲観的に考えていました。ところが得られた予報は以下のように 天文薄明中で空が若干明るいものの、ジュノーは8等級台で見えることが分かりました。8等級台なら 25cm主鏡の直焦点で撮影可能な明るさです。
実際のスイングバイの飛行経路は 図-3 & 図-4 に示しました。図-4は実際の飛行経路を地上に投影した図です。
ジュノーは 04h05mごろにアルゼンチン沖の大西洋上空から落下するように地球に近づいて来ました。そして大西洋を西から東方向へ横切りながら 04h19m34s にケープタウン沖で地球の影に入りました。04h21m25s に地球に最接近して、地上559kmの所を通過して行きます。その後04h39m07s にスリランカ上空で地球の影から出て輝きを取り戻しました。この時、日本からは地上高約15゚、光度8.0等で見えるはずです。
ジュノーは 04h05mごろにアルゼンチン沖の大西洋上空から落下するように地球に近づいて来ました。そして大西洋を西から東方向へ横切りながら 04h19m34s にケープタウン沖で地球の影に入りました。04h21m25s に地球に最接近して、地上559kmの所を通過して行きます。その後04h39m07s にスリランカ上空で地球の影から出て輝きを取り戻しました。この時、日本からは地上高約15゚、光度8.0等で見えるはずです。
§. 『JUNO』 ・撮影に成功!
当日は富士山/須走口まで出かけて撮影に臨みました。予報が 8.0等と若干暗いものの、ジュノーの移動速度が普通の人工衛星よりは遅いので、望遠レンズでも写るのではないかと思い、メインは望遠鏡として、サブとして f =100mm, F5.0 のカメラレンズも準備しました。撮影場所として須走口を選んだのは、丁度富士山の頂上から出現して右上の方向に昇って行く飛跡を狙ってのことでしたが、あいにく富士山の頂上付近にだけ雲がかかっていて狙いの構図は諦めました。サブの方は ポタ赤 CD-1 でガイドしながら、露出10秒で連写モードで放置しておきました。このサブにはもう一つ目的がありました。それは万一、予報位置 or 予報時刻が狂っていた場合にもカバーが出来るように 8.0等星が写せるギリギリまで焦点距離をワイドにして設置しました。幸いにも予報通りだったので、ジュノーは写野中央を通過して写ってくれました。但し、光度に関しては予報は外れたようで、写真の写り具合からは 4~5等星だったように思います。
偶然に写り込んだ人工衛星 コスモス1538 R/B の軌跡の長さとジュノーの長さを比べるとジュノーの方がずーーと遅い速度で通過しているのが分かります。この時のジュノーまでの距離は約13000~14000km です。
当日は富士山/須走口まで出かけて撮影に臨みました。予報が 8.0等と若干暗いものの、ジュノーの移動速度が普通の人工衛星よりは遅いので、望遠レンズでも写るのではないかと思い、メインは望遠鏡として、サブとして f =100mm, F5.0 のカメラレンズも準備しました。撮影場所として須走口を選んだのは、丁度富士山の頂上から出現して右上の方向に昇って行く飛跡を狙ってのことでしたが、あいにく富士山の頂上付近にだけ雲がかかっていて狙いの構図は諦めました。サブの方は ポタ赤 CD-1 でガイドしながら、露出10秒で連写モードで放置しておきました。このサブにはもう一つ目的がありました。それは万一、予報位置 or 予報時刻が狂っていた場合にもカバーが出来るように 8.0等星が写せるギリギリまで焦点距離をワイドにして設置しました。幸いにも予報通りだったので、ジュノーは写野中央を通過して写ってくれました。但し、光度に関しては予報は外れたようで、写真の写り具合からは 4~5等星だったように思います。
偶然に写り込んだ人工衛星 コスモス1538 R/B の軌跡の長さとジュノーの長さを比べるとジュノーの方がずーーと遅い速度で通過しているのが分かります。この時のジュノーまでの距離は約13000~14000km です。
以下の写真は SE250N の直焦点で撮ったものです。1枚だけでは折角の撮影チャンスが勿体無いので、ジュノーを追いかけるようにして4枚撮りました。実際には一枚目の撮影終了後に急いで二枚目の位置まで望遠鏡を動かします。あらかじめ求めておいた二枚目の赤経赤緯になるようにコントローラーの数値だけを頼りに動かして、正しいかどうかの確認時間が無いまま二枚目の撮影を開始します。三枚目、四枚目も同じようにします。とにかく目が回るほどの忙しさです。コントローラーを操作して望遠鏡を目的方向に振るための時間は 70~75秒しか取っていないので、ちょっと手間取って10秒ほどロスすると、ジュノーの軌跡が画面一杯にはならずに途中から写ってしまうことになります。(ちょっと欲張り過ぎな撮影計画だったと反省しきりです。) それでもどうにかギリギリ間に合って目標通り 4枚を撮影できました。